2025年度後期の連続テレビ小説『ばけばけ』は、文豪小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とその妻・小泉セツをモデルに、明治という激動の時代を生き抜いた夫婦の物語を、大胆にフィクションとして再構成した意欲作です。
「この世はうらめしい。けど、すばらしい。」というキャッチコピーのもと、西洋化の波の中で忘れ去られそうになった日本の心、そして名もなき人々の暮らしに光を当てる本作の魅力に迫ります。
もくじ
実話モデルは小泉八雲と妻セツ!物語の舞台は「怪談」の地・松江
『ばけばけ』の物語の核となるのは、実在した作家ラフカディオ・ハーン(日本名:小泉八雲)と、その妻・小泉セツの夫婦愛と、彼らが愛した「怪談」の世界です。
ヒロイン・松野トキのモデル:小泉セツ
ヒロインの松野トキ(まつの トキ)は、小泉セツがモデル。松江の没落士族の娘として、時代に翻弄されながらも、怪談話や昔話が大好きな心優しく、芯の強い女性です。オーディションで2892人の中から選ばれた髙石あかりさんが、この難しい役を演じます。
夫・ヘブンのモデル:ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)
ヒロインの夫となる外国人英語教師・レフカダ・ヘブンは、ラフカディオ・ハーンがモデル。ギリシャ生まれ、アイルランド育ちという異色の経歴を持ち、日本にたどり着きます。言葉の壁や文化の違いに悩みながらも、トキとの交流を通して日本の怪談に魅了されていきます。このヘブン役には、英国出身の俳優トミー・バストウさんが抜擢されました。
舞台地は「水の都」島根・松江
物語の主な舞台となるのは、島根県松江市。 松江は、ハーンが英語教師として赴任し、セツと出会い、そして『怪談』をはじめとする数々の名作を書き記すことになった、ゆかりの地です。ドラマでは、宍道湖の美しい夕日や、情緒ある松江城下の町並みが描かれ、明治初期の日本の空気感を伝えます。ハーンが暮らした旧居も松江に残っており、その地で育まれた夫婦の絆と、日本文化への深い愛情が物語の背景を彩ります。
『ばけばけ』を彩る豪華キャストと相関図
ヒロイン夫婦を取り巻く人々も、実力派ぞろいの豪華な顔ぶれです。松野家の人々、ヘブンの赴任先である松江の人々、そしてヒロインの人生に大きな影響を与える人物たちが、物語を複雑かつ魅力的にしていきます。
松野家の人々
周囲の人々
「うらめしい。けど、すばらしい。」異文化の夫婦が紡ぐ愛と再生の物語
明治の世は、新しい文化が入り込み、旧来の価値観が崩壊していく、まさに「うらめしい」時代でした。没落士族の娘となったトキの暮らしは苦しく、理不尽なことに直面します。
しかし、そんな中で彼女が出会ったのが、異国から来た変わり者・ヘブンです。言葉や文化は違えど、二人は「怪談」という共通の「好き」を通して心を通わせます。それは、この世の悲しみや寂しさ、そして人々の小さな喜びを、怪しいけれども美しい物語として語り継ぎたいという、お互いの魂の叫びのようでもあります。
『ばけばけ』は、実在の人物をモデルとしながらも、フィクションとして彼らの人生を深く掘り下げ、「普通の人」の「何気ない日常」がいかに愛おしく、そして「すばらしい」ものであるかを問いかける作品となるでしょう。
異文化の夫婦がどのように愛を育み、激動の時代を乗り越えていくのか、島根・松江の地を舞台にした「怪談」がつなぐ愛の物語から目が離せません。
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