NHK朝ドラヒロイン髙石あかりの素顔！『ばけばけ』で演じるセツとは？

2025年9月29日（月）からいよいよ放送が始まる、NHKの連続テレビ小説『ばけばけ』。ヒロインの松野トキを演じるのは、オーディションで大役を掴んだ女優、髙石あかりさんです。

圧倒的な応募者の中から選ばれた、次世代の朝の顔。彼女はいったいどんな人物で、本作でモデルとなった小泉セツ（松野トキ）という女性をどのように描くのでしょうか。髙石あかりさんの魅力と、彼女が挑むヒロイン像に迫ります。

期待の新ヒロイン：髙石あかりの歩み

髙石あかりさんは2002年12月19日生まれ、滋賀県出身。2025年9月現在22歳という若さながら、すでに映画やドラマ、舞台で確かな実績を積み重ねてきた実力派女優です。

彼女のキャリアの中で特に注目を集めたのが、映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズです。殺し屋の女子高生を演じたこの作品で、コミカルさとシリアスさが同居する独特のキャラクターを見事に表現し、若手俳優としての地位を確立しました。また、NHKの夜ドラ『わたしのいちばん最悪なともだち』での繊細な演技も、記憶に新しいところでしょう。

実は髙石さん、朝ドラのオーディションは『舞いあがれ！』『あんぱん』に続き、今回が3度目の挑戦でした。長年の夢であったヒロインの座を射止めた時の会見では、感極まって涙を見せ、「小さい頃から朝ドラヒロインになるのが夢でした」と語っています。そのひたむきで飾らない素顔は、まさに視聴者が朝ドラヒロインに求める清々しさと情熱を兼ね備えています。

彼女の魅力は、明るく元気なイメージだけではありません。確かな演技力に裏打ちされた「どこにでもいそうな女の子が、激しい感情の動きを見せたとき」の表現力。この幅広さが、『ばけばけ』で時代の波に翻弄されながらもたくましく生きるヒロイン像に深みを与えるとして、制作陣からも大きな期待が寄せられています。

『ばけばけ』で描かれる松野トキ（小泉セツ）とは？

髙石さんが演じる松野トキは、明治時代の文豪ラフカディオ・ハーン（小泉八雲）の妻、小泉セツさんをモデルとしています。

没落士族の娘としての苦難

セツのモデルであるトキは、松江藩の士族の家系に生まれましたが、武士の時代が終わり、父親が事業に失敗したことで一家は極貧生活に追い込まれます。幼い頃から家計を支えるために働き、一度は結婚するも夫に出奔されるなど、激動の時代の中で人知れぬ苦労を重ねました。

時代に取り残された人々の「代弁者」

そんなトキの最大の特性が「怪談話が好き」なことです。彼女にとっての怪談は、ただ怖い話ではなく、急速な近代化の中で埋もれていった日本の古い文化や、名もなき市井の人々の「心の物語」でした。

そして、松江にやってきた外国人英語教師のヘブン（小泉八雲がモデル）と出会います。二人は言葉や文化の違いに戸惑いながらも、「怪しい話好き」という共通点と、故郷を失い居場所を探し求める者同士という境遇から、深く心を通わせます。トキが語る怪談や古民話は、ハーンの創作活動にとって欠かせないインスピレーション源となり、二人は文化の壁を超えた最高のパートナーとなるのです。

タイトルに込められた「化ける」の意味

本作のタイトル「ばけばけ」には、複数の「化ける」の意味が込められています。

時代の変化（近代化）：日本の社会が西洋化によって劇的に「化けて」いく様。
トキ自身の成長と変化：没落士族の娘が、異文化の夫を得て作家の「語り手」として「化けて」いく姿。
怪談の力：怪しい話（ばけもの）が、実は人々の愛や悲しみといった「心模様」に「化けて」いること。

髙石あかりさんは、このヒロインについて「小泉セツさんの日常から溢れる愛情や思いやる心を大切に演じたい」と語っています。貧しさや苦難、そして差別に直面しながらも、ひたむきな「怪談愛」と持ち前の明るさで困難を乗り越え、世界的な文豪を支えたセツの愛と強さを、髙石さんがどう表現するのかが最大の注目ポイントです。